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鳳凰三山(2017.9.22)

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「周りが見えないから、より綺麗に見えるよね」
下山途中、すれ違った方の言葉。
「霧で周りは見えなかったのですが、足元だけでも とても綺麗で」
と話すと、こう答えてくださいました。

たくさん見えないから、見えるものを
よく見ることができること、あります。



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その後、2時間ほど下る間に考え事。

今日は、霧が濃い日で遠望がききませんでした。
来週、天気が良い日を選んでまた登ろうと思ったので、それほど気にすることはなかったのですが
それでも初めて登った山なので、景色が見えないことを少し残念に思っていました。

けれど、見えないから感じられたこともたくさんありました。




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地蔵ヶ岳が、霧と風で独特な雰囲気があり「怖いな」と思ったこと。
地蔵ヶ岳直下の蟻地獄みたいな砂山部分を、他に何も見えないから足元だけ見ながらもくもくと登ったこと。
巨岩に驚いたこと(どういう山の成り立ちだと、こういう巨岩が出来るのでしょう?
柳生の里の一刀石を思い出しました)



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急坂にある、庭石のようなと白い石を何岩かな?と考えたこと。
霧の中で、気をつけて道標をみつけながら辿り、三山を巡ったこと。
もちろん、霧に霞む草や木々の紅葉の美しさ。

どれも、たくさんのものが見えないから、見えるものを静かに見られたおかげでした。






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今日、登ったのは鳳凰三山
青木鉱泉からドンドコ沢ルートで・・・南精進ヶ滝・・・白糸の滝・・・五色滝・・・鳳凰小屋 ・・・地蔵岳・・・観音岳・・・薬師岳・・・中道登山道で・・・青木鉱泉 に戻る というコースです。





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青木鉱泉から登ったところにある、南精進ヶ滝
北斎の浮世絵の滝のようでした。

ドンドコ沢ルートで登ると、いくつもの滝が途中に見られて飽きることがありません。




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鳳凰小屋に至る河原
残念ながら、目指す山頂は見えません。



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青木鉱泉を出発して3時間で地蔵ヶ岳に到着。
霧に覆われている中に浮かび上がる、たくさんのお地蔵様
風が吹きつけ寒く、あわてて服を着込みます。

8年ほど前に、こんなような日に御嶽山へ登ったことを思い出します。
同じ・・・ひえぇ~ という感じがしました。
つまり、怖い。

天候のせいだけではありません。
独特の雰囲気です。



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オベリスクと呼ばれている巨岩へ近づいてみますが、
途中 お地蔵様を見つける度に手を合わせながら進みました。



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ぴかーっ、と晴れていれば、ここに抱く印象はかなり違うと思います。




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風と霧に、このまま鳳凰小屋へ下ることも考えましたが、様子を見ながら進んでみました。
すると、地蔵ヶ岳以外は風も強くありませんでした。
また、道標がわかりやすいので迷う心配もなく、美しい紅葉を楽しみながら歩く余裕がありました。
心配した雨も降ってきません。




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砂の稜線は楽しくて、ブーン、と両手を広げて飛行機みたいに走ってみたり。
これも、ほとんど人のいない天気、見晴らしが悪いから人目を気にせずできることです。




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観音岳山頂

鳳凰三山、全貌が見えないせいもあるのですが、ピークらしいピークが見つけられないまま
次々 山頂を示す柱が現れます。

行先の山を眺めながら進むのは、次回のお楽しみです。



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そんなわけで、もくもくと歩いて薬師岳山頂。
青木鉱泉を出発してから4時間ちょっとで、すでに下山に入ります。

この天気だし・・・

と、思っていたら、下るにつれて悪くもない空になってきました。




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里が見えています。




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今夜、山に泊まれる人はいいなぁ とちょっぴり思いながら
気持ちのよい道を降りてきました。




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もうすぐ青木鉱泉。
川の水量がすごいです。



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来週、紅葉を見に登りたいところが またひとつ出来ました。
青木鉱泉を出発して、戻るまで6時間半
様子がわかったので、次は絵の具を持っていっても良さそうです。




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帰る車の中、橋の上から振り返り・・・
山、見えてきています。




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白州の方までいくと、山の上の霧や風は考えられないような
のんびりした秋の風景が広がっていました。








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by wakasa-noriko | 2017-09-22 23:51 | 山歩き
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